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『アクセス解析でわかること 初級編』 では、たいていのアクセス解析ツールで取得できるデータについて説明しました。
この【中級編】では初級編のデータにひと手間加えることで明らかになるデータについて説明します。
初級編で説明していること
中級編の解説を始めるにあたってまずは、架空のユーザーのインターネット上での行動を読んでください。
「いつ、誰が、どこから、どうやって、サイトにアクセスして、何を見たのか。」という行動を記しているのですが、もしもあなたがこのユーザーがアクセスしてきたサイトのオーナーで、アクセス解析を実施していたとすれば上述の 一連の行動や情報がアクセス解析ですべてわかります。 (アクセス解析に使用するソフトウェアは Google Analytics を想定しています。)
それでは中級編の項目を詳しく見てきましょう。
上述したとおり、ユーザーの一連の行動を明らかにできるので、それはユーザーを特定できることを意味します。
ユーザーの行動のなかで一定時間ウェブサイトへのリクエストが無ければサイト内での行動を終了したと見なして セッション という単位にまとめることができます。
ユーザーのセッション回数が1回だけなら新規のユーザー、2回以上ならリピーターとして区分できるようになります。
またセッションの合計数はサイトを訪問した延べ人数として利用できます。
セッションの開始時刻と終了時刻の差を計算すると、セッションの時間が算出できます。計算した結果をウェブサイトに滞在した時間として利用できます。
1ページ目にアクセスされたページの時刻と2ページ目にアクセスされたページの時刻の差を計算すると、1ページ目の滞在時間として利用できます。
滞在時間はページ間のアクセス日時を引き算することで明らかになりますので、2ページ目の滞在時間を判定するには3ページ目のアクセス時刻が無いと計算できません。したがって、最後に閲覧されたページの滞在時間は常に不明となります。
ページがどのような順番で閲覧されたかがわかります。
したがって、閲覧されたページの中で最初に閲覧されたページと最後に閲覧されたページを判定することもできます。
ページ内のどのリンクがクリックされたのか、またどのボタンがクリックされたのかということがわかります。
ページ内で同じリンク先を持つ複数のリンクがある場合に、どのリンクがクリックされているのかを特定することもできます。
例えば、ヘッダーとフッターに商品カテゴリのリンクがあったとすると、ヘッダーとフッターのどちらのリンクがクリックされているかを区別することができるのです。
手法としては、リンク先URLにパラメータを付与したり、JavaScript でクリック イベントを取得してアクセス解析ソフトにURLの情報を区別して送信することで同一リンクであっても要素を区別することが可能です。
ビデオが再生された回数やファイルのダウンロード回数も計測できます。
ウェブサイトを訪問したユーザーの主たる言語がわかります。
言語を判定する手法としてはユーザーが利用しているブラウザで設定されている言語に基づきます。ウェブサイトが日本語であっても英語を主たる言語としているユーザーが訪問しているといったことが割り出せます。
ウェブサイトを訪問した時のユーザーの所在地がわかります。国、都道府県、市区町村までわかります。
基本的にはユーザーのIPアドレスに基づいて地域が判定されるのですが、その精度は MaxMind 社の GeoIP2 City という製品 だと「国レベルで 99.8% の精度、州レベルでは 90% の精度、米国内の都市レベルでは半径 50 km 圏内で 81% の精度。」と高精度です。
ユーザーがスマートフォンなど GPS を搭載している端末を利用している場合には GPS 衛生からの情報を取得して地域を割り出すこともできます。
性別、年齢などは外部データとの連係で特定可能です。例えば会員情報やアンケート結果をアクセス解析のデータと組み合わせます。
ちなみに Google Analytics では Google 独自のデータを利用して性別や年齢を推定しています。
以上が『アクセス解析でわかること 中級編』になります。
ここで説明したことを「知らない自分は初級レベルなんだ」ということはありません。 アクセス解析はウェブサイトの目的を達成するための活動 ですから、サイトの改善において知る必要の無いデータがあるのは当然です。
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最終更新日: 2014年11月16日(日) / カテゴリー: ウェブサイトの構築と運用