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『臨床犯罪学者 火村英生の推理』 というドラマ全10話を観ました。
このドラマを選んだのは原作が推理作家・有栖川有栖さんの小説だったからです。 原作の推理小説は未読ですが有栖川有栖さんということもあって興味を持ちました。
全10話あるストーリーそれぞれの原作が異なるので、およそ10作の小説をドラマで楽しむことができます。
臨床犯罪学者の火村英生(ひむら ひでお)と推理作家の有栖川有栖(ありすがわ ありす)のコンビが主人公の物語で、1話ごとに起こる殺人事件と同時にもうひとつ「過激派集団・シャングリラ十字軍」が絡んだ事件も展開していきます。
各話で起こる事件を簡単に紹介します。
以上のように1話ごとに起こる殺人事件を火村とアリスが解決する作品です。 6話と7話にまたがって解決されるパターンもあるのですが基本1話完結です。
さながら、シャーロック・ホームズ(火村)とワトソン(アリス)、そしてモリアーティ教授(シャングリラ十字軍の指導者)の物語を思い浮かべます。
ちなみに舞台は京都で、アリスは関西出身の推理作家なので関西弁で話します。
わたしがこのドラマを全編観た感想としては、ミステリ愛好家の余暇を充実させるエンタメとして完成度が高いところです。 推理要素だけでなく火村とアリスのコンビの個性が光っており気軽にミステリを楽しむことができるドラマに仕上がっていると思います。
重厚な本格ミステリドラマではありません。
幼い頃から推理小説をちょくちょく読んでいたわたしにとっては話の途中で「あ、このトリックはアレ風だな」と予想できるところもあるのですが、白けることなく火村のクールさと、そして火村に対比して描かれるアリスのユーモラスな存在がストーリーを盛り上げてくれます。
シャーロック・ホームズシリーズに登場する ハドスン夫人 役を交えた息抜きもあり、気軽に楽しみながら本格要素も取り入れたミステリドラマとしてすばらしいと思いました。
ミステリ要素も密室トリック、物理トリック、心理トリックなど代表的な複数のトリックジャンルがあるので、飽きずに見ることができました。
不満なところをあげるなら、9話、10話あたりで少し推理要素が弱いかなと思ったのと最後の展開にそのままあの作品(←ネタバレ防止)を踏襲した点です。
このドラマを観てから有栖川有栖さんの火村英生シリーズの推理小説を読むと、ドラマの登場人物のイメージが邪魔をするかもしれません。
わたしはドラマを見ているあいだに 火村英生シリーズの第一作目となる『46番目の密室』 という推理小説を読んでいたのですが、途中から小説の登場人物がすべてドラマのなかの役者のイメージになってしまい変な感じでした。ちなみにドラマのなかで『46番目の密室』が原作になったストーリーはありません。
原作の小説とは異なる部分もあるので、小説でじっくり味わいたい人はドラマはあとから観るほうが良いかもしれません。
原作との違いなどを知りたい人は 有栖川有栖ファンの方が書いたドラマの感想 をご覧ください。ただしネタバレがありますのでご注意ください。
わたしがおすすめしている動画サービス U-NEXT での配信は2020年5月で終了したようなので、2020年6月時点では Hulu で視聴する か、 Amazon Prime Video でレンタル できます。
臨床犯罪学者 火村英生の推理 (2016) | |
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満足度(最大星5つ) |
最終更新日: 2020年06月11日(木) / カテゴリー: 推理小説・映画