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米澤 穂信(よねざわ ほのぶ) /著の推理小説『 インシテミル 』を読みました。
この本を選んだのは、読者が選んだおすすめ推理小説ランキング で10人中3人の人がおすすめする作品にランクインしていたからです。
米澤 穂信さんの作品は 青春ミステリーというジャンルに分類される『氷菓』 を読んだことがあります。
この本は、結城理久彦(ゆうき りくひこ)という大学生が主人公の物語です。
結城は時給が破格の11万2千円というバイトに応募して採用されます。 バイトの内容は「ある人文科学的実験の被験者」で、7日間外部から隔離された施設に閉じ込められて24時間観察されるというものでした。
このバイトに集まったのは12名の男女。実験の具体的内容は、参加者同士が殺しあったり犯人を当てたりすることで多くの報酬を獲得するというゲームでした。
外界と接点のない閉ざされた施設でやがて殺人事件が起こり参加者達は疑心暗鬼に陥ります。解決方法を探ろうとするとまた殺人事件が起こります。
閉じられた世界で生き残るのは誰なのか。 本格ミステリーのエッセンスと名作のオマージュが混じった新感覚ミステリーです。
読み終えて「難しい」といった感想です。
人物の関係性や殺害方法、推理方法がイメージしにくかったので難しく感じました。
登場人物の容姿や気質の描写が弱く、読んでいる途中で登場人物を覚えられたのは主人公の結城をはじめ3名ほどでした。
人物が覚えられないと、誰が何をしたということが曖昧で、出来事がぜんぜん頭に入ってこないです。もちろん結末まで読み進めればそこそこの人物を覚えられますが、話の途中がぼやけていてミステリーに期待するハラハラドキドキした感じや引き込まれる感触がなかったです。
個人的には途中の話を理解するには3回位読み返さないといけないかなと。 私には本作を堪能できるだけのミステリーの知識や読書量が足りないんだなと思います。 最後の解説文でも理解があまり進まなかったので、ネタ元の参考文献のリストが欲しいですね。まるで論文のようです。
謎解きの組み立ては見事なもので解決の道筋は興味深いだけに、自分のミステリーの教養の無さがもったいなく、自滅とでも言える読書体験でした。
本作が原作となった同名の『インシテミル』という映画も観たのですが小説とは別物でした。原作の映像化を期待してはダメです。「小説を読むのが面倒だから映画で」と考えるのは間違いです。観なくて良いです。必ず小説を読んでください。
インシテミル (文春文庫) (ISBN: 978-4167773700) | |
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満足度(最大星5つ) | |
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最終更新日: 2022年12月17日(土) / カテゴリー: 推理小説・映画