UNIX とは?

UNIX はオペレーティングシステムのひとつで、初期のものが1960年代に開発されて以来、コンスタントに改良が続いています。 オペレーティングシステムとはコンピューターを動かすための一式のプログラムです。サーバーやデスクトップ、ラップトップパソコンを安定して実行させるためのシステムなのです。

UNIX もまたマイクロソフト Windows のようにパソコンの操作を簡単にするためのグラフィカル ユーザ インタフェース (GUI) を備えています。しかし、 UNIX を使いこなすにはグラフィカルなインタフェースを持たないプログラムの操作を学ぶことが欠かせません。

UNIX の種類

UNIX は沢山の異なるバージョンがあります。とは言え、それぞれは似ているので知識は共有できます。いろいろな UNIX があるなかでもっともポピュラーなものは、 Sun Solaris、 GNU/Linux そして Mac OS X です。

このスクールでは、サーバーとワークステーションに Solaris、サーバーとデスクトップPCで Fedora(Linux) を使います。

UNIX オペレーティングシステム

UNIX オペレーティングシステムは「カーネル」と「シェル」と「複数のプログラム」という3つの要素で作られています。

カーネル

UNIX のカーネルはオペレーティングシステムの中核です。プログラムの時間とメモリを割り当てて、システムコールに応答してファイルストア(HDDなど)との通信を処理します。

シェルとカーネルが働く例をあげましょう。ユーザーが rm myfile と入力したとします( myfile を削除するように働きます)。シェルはファイルストアから rm プログラムを探してカーネルに myfile で rm プログラムを実行するようにリクエストします。 rm myfile の実行が終了するとシェルは UNIX プロンプトである % をユーザーに返します。% はシェルが次のコマンドを待機していることを示します。

シェル

シェルはユーザーとカーネルの間を取り持つインタフェースとして働きます。ユーザーがログインするとき、ログイン プログラムはユーザー名とパスワードをチェックした後、シェルが起動されます。シェルはコマンドライン インタプリタ(CLI)です。ユーザーが入力したコマンドを解釈して実行するのです。コマンドはそれ自身がプログラムであり、コマンドの実行が終了すればシェルはプロンプト(私たちのシステムでは %)を表示します。

ユーザー自身のシェルをカスタマイズすることもできます。また同じマシンで異なるシェルを使うことも可能です。私たちのスクールでは tcsh というシェルが標準のシェルです。

tcsh はユーザーのコマンド入力を支援する機能を備えています。

ファイル名の補完 - コマンドやファイル名、ディレクトリ名の一部を入力してタブ(Tab)キーを押すと、tcsh は残りの名前を自動的に補完してくれます。複数の補完候補がある場合にはビープ音が鳴ります。これはタブキーを押す前にもう少し多くの文字を入力するように促している合図です。

ヒストリ - シェルはあなたが入力したコマンドの一覧を保存しています。もしもコマンドの入力を繰り返す必要があるのなら、矢印の上下を使って履歴をたどることができますし、 history というコマンドを実行するとコマンドの履歴の一覧が表示されます。

ファイルとプロセス

UNIX ではあらゆるものがファイルまたはプロセスとなります。

プロセスは実行中のプログラムで PID (process identifier) で識別されます。

ファイルはデータの集まりです。テキスト エディタやコンパイラなどを用いてユーザーによって作成されます。

ファイルの例:

  • ドキュメント (レポート、エッセイなど)
  • プログラムが書かれたテキスト
  • 機械に理解できて一般のユーザーには理解出来ないもの(二進数で表現されているバイナリファイルなど)
  • ディレクトリ。ディレクトリは他のディレクトリやファイルを含んでいるという情報を有するファイルです

ディレクトリ構造

すべてのファイルがディレクトリ構造のなかに含まれます。ファイルシステムは木を逆さにした階級構造として整理されています。階級構造の一番上は伝統的に ルート(root) と呼ばれます。ルートはスラッシュ / で表現されます。

ファイルシステムの図解

上の画像で、学部の学生 "ee51vn" のホーム ディレクトリを見つけることができます。そこにはふたつのディレクトリ (docs と pics)、そして、report.doc というファイルがあります。

report.doc の完全なパスは "/home/its/ug1/ee51vn/report.doc" となります。

UNIX ターミナルを使う

UNIX ターミナル ウィンドウを起動しましょう。 Applications/Accessories メニューの "Terminal" をクリックします。

GNOME デスクトップのスクリーンショット

UNIX ターミナル ウィンドウは % プロンプトを表示してあなたがコマンドを入力するのを待っています。

Terminalを起動した直後はコマンド入力待ちの状態

この文書は UNIX Tutorial for Beginners から派生した文書です。 Creative Commons License の下で利用できます。

Creative Commons License


最終更新日: 2011年02月24日(木)


Back to top